少しウトウトしていたのだが、
配車先に着くと、眠気もふっとんだ
まず高齢(後で聞くと88歳)の女性が車いすに座って、病院のワンピースのようなものから股下を肌けている
介護している付き添いのやや太めの女性も還暦を過ぎているらしい
いわゆる老老介護である
車いすに乗っている女性は意味不明なことをつぶやき、時折叫び出す
これは長期戦になる…
まずこのおばあさん、なかなか乗らない
介護の娘さんが抱えて乗せようとするとキレて
「やめてー!!」
大声で叫ぶ
「おしっこしたいねん!!トイレ行かせてー!」
「さっき行ったばかりやろ。オムツしてるから大丈夫や」
「トイレ行かせてー!」
1時頃着いて10分ほど
「運転手さん、良いからもうメーター上げてください」
「…はい」
一瞬迷う
メーター入れたら待ち時間も売上にはなるが、
もう逃げられない
しかしこの状況で逃げるわけにも行かないやろし、観念してメーターを押す
1時10分
そこからまた悪戦苦闘
こういうの手を貸したらまた大騒ぎされたり、倒れられたりしたら面倒なので、
なるべく手を貸さない
しかし、最後に車に押し込むところは手伝った
1時20分
メーターはもう900円(500円始まり)
乗車してもおばあさんはブツブツ言っている
「そこ誰乗ってんねん…じゅんちゃんと誰?」
「じゅんちゃんは姉なんです」
娘さんが俺に言う
「そうなんですか…」
「小野さんか、小野さんが乗ってるんか」
「小野さんはもう亡くなったで」
「大変ですね…」
娘さんに声をかける
「大変です…昨日まで普通やったんですよ」
「なんでまたこんな(状態)になったんですか?」
「ストレスかなぁ…いろいろあって。今日は昼間手が痛いって言って騒ぎ出して…わたしも仕事休んで」
「ストレスですか…」
見るからに、ストレスの塊である
今ここで対応してるだけでも、こちらもストレスで倒れそうなのに、一緒に暮らしてる娘さんの心中は計り知れない
「明日も仕事休まなあきません。1日一緒にいたらどうかなりそうやけど、逃げるわけにもいかんし…」
降ろしたらすぐに逃げることしか考えていない俺にとっては、なんとも言えない
「このあたりでしょうか」
親子の家に着く
先に娘さんが降りて、家のドアをあける
開けたドアの中に見える家はとんでもなく雑然としていて、
いわゆるゴミ屋敷である
降りるにも10分ほどかかり、
料金は3900円だが
1時間ほど拘束された
去り際に裸足でまだ大声で叫んでいる母親の手をひいて家に入れようとしている娘さんを見て心が痛んだ
俺はたったの1時間
しかし彼女はここからどれだけおばあさんの世話をしなければならないんだろう
「昨日は母が大騒ぎして一睡も出来ませんでした」
と言っていたが、
おそらく今日も
寝られないだろう
もしかしたら明日も…
5月13日(水) 57,000 38回
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