2020年4月19日日曜日

ロイヤルリムジン問題について考える

4月8日に流れた、今回の新型コロナウイルスに絡んだタクシー業界にとっては衝撃的なニュース

ロイヤルリムジン、全乗務員一時解雇し失業保険勧める…

いろいろと考えることはある。

もちろん、これはない

という前提の下に、

この混乱状況の中で、苦しんでいる経営者の気持ちも分かる

安倍さんが突然マスクを配る決断をしたように、

誰かの生活を担っている人間というのは、

ものすごいストレスを背負っているのだろう

判断力がおかしくなるのも分かる。

何より我々下々の人間はそもそもそこで何かを決断しなければならないというストレスの存在さえ分からない(安倍は人間じゃないみたいに好き放題言われてるしな)

この際俺の立場では、この業界を守りたいし、

今でもこの業界の社会的地位を高めたいという強い想いがある

ロイヤルリムジンの金子社長すみません

苦しかった中で迷いがあったのかもしれません。

決して保身での決断ではなかったのは分かります。

あなたが乗務員を想っていた気持ちも伝わってきました。

しかし、他の方法があったと言わせてください(中小企業なら雇用調整金で昨年度平均賃金の9割助成されるわけやから、過去3か月平均で休業補償すればぶっちゃけプラスになるんやからな)。

今回のあなたの決断は間違いなく、若者をまたタクシー業界から離れさせるきっかけになりました

今回のコロナ禍で片手が届きそうやったタクシー業界の光がまた遠のいたことは否めない。

しかし俺もまだ40台(後半か)

人生をかけて、この業界の地位をあげてやるという決意を強くさせている

来年の東京オリンピックは無理かもしれない…(せっかくチケット当たったのにな)。

しかし、10数年後にまた日本にオリンピックが来るだろう(大阪か神戸なら良いな)

そのときには、そこで現場でタクシーに乗っている60台のいけてるドライバーでありたい

若い奴らに、

「昔はタクシードライバーなんて近所にも親戚にも言えない職業やったんやで」

と笑いながら話せる日が来るまで。





2020年4月2日木曜日

9年前の投稿 「ある警備員との絆」

長いことブログ書いてるけど、我ながら傑作と思える9年前の投稿をアップしよう(ここまで言われると突っ込みようがないな…)
※9年前やから、「うつってしまった(感染してしまいました)」は新型コロナではありません(もうその頃にコロナかかってて、免疫出来てるんかもな)

年度末
この時期の切なさというのは独特なものがある。
何かが終わり、何かが始まる・・・
その積み重ねが人やものをやがて大きく変えていくだろう、という想像力も逞しくなる。
俺も何年か前のこんな時期に運転手を始めた。
タクシーに乗り始めた頃は楽しくて、今思えば売上とかどうでも良かったように思う。
運転手になって間もない頃、ある日駅前の工事現場の脇に車を停めて待機していたら、工事現場の警備員が近づいてきた。
身体はでかく日焼けしていて、俺と同年代だろうか、警備員にしては目立って若く見えた。
「すみませーん、トラックが出るんですこし車動かしてもらっていいですか?」
「はーい」
誘導されるままに車を動かす。
「どうもありがとうございます!」
そもそも違法停車である。お礼を言われる筋合いはない。
しかし彼はなんというか交通誘導員らしくなく
やる気に満ちていた
こんな奴もいるんや
その日からその工事現場を通る度に彼のことが気になった。
恋愛対象としてではない(断らんでいい)
目が合えばお互いに手をあげ、ときどきちょっとした会話をしたりもした。
そしてある日またゆっくりと会話できる機会があった。
普通の同世代の男同士がするような他愛もない会話の中で俺が言った。
「なあ、何でこんな仕事(警備員)してるん?自分もタクシー乗ったらいいやん」
するとそれまでのフレンドリーな空気が明らかに変わり、彼は仁王様のような顔を真っ赤にして言った。
「俺は好きでこの仕事してるんや。これからも、出来ればずっとこの仕事を続けたいと思ってる」
当然俺は必死に謝った。
タクシー運転手として、自らが誇りを持ってやっている職業を見下され悔しい思いをすることは今でもある。
なのに俺は彼の職業(警備員)を見下していた
タクシーに乗っていると、本当に様々な職業の人と接する機会がある。
一流企業の社員、中小企業の経営者、医者、教授、スポーツ選手・・・
人の羨むような社会的地位や収入の高い仕事をしている人も多い。
しかしどれだけの人が胸を張って言えるだろうか。
「俺はこれからもずっとこの仕事を続けていく」
「しがみついていく」、というのはよくあるだろうが・・・
今の俺は言えるだろうか?
ハンドルを握りながらよく考える。
そのうち彼の現場が変わり、道で会うこともなくなった。
彼は彼の仕事について、
いろんな現場で、いろんな状況があって、いろんな人の対応がある。
そんな風に
人を見て、人と接することができる
そんな面白さがあると話していた。
なんかタクシーとつながるとこがある。
数日前空車で走っていたら、
何年ぶりに道でたまたま彼を見かけた
暖かい日で、年がいもなく短パンで歩道を歩きながらでかい体を縮めて携帯をいじっていた。
クラクションを鳴らすと、すぐに俺とわかったようだ。
向こうから大きく手をあげてきた。
信号で止まって、運転席の窓を開ける。
「おう!久しぶり、休み?」
「うん、ほんまに久しぶりやな。やっぱりまだタクシー乗ってるんや」
あのときと変わらない日焼けした顔で、うれしそうに言った。
「なかなかここ(運転席)から離れられへんわ。そっちは今はどこの現場行ってんの?」
3月31日(木) 景気指数50 晴
23:30売上 14,530 9回
最終売上 34,640 18回(7回) 11.75時間 MAX 4,070
かみさんと上の子供が風邪でダウンしていたので、
16時頃には仕事を切って子供の保育園の迎えに行ったり、
家で晩飯を作ったりしていたら
うつってしまった・・・
らしく夜はしんどかったが、
さすが年度末、
夜のタクシー乗り場はすごい行列やった
22時過ぎから約4時間で11回はすごい。