2026年2月3日火曜日

タクシーストーリー㉑ 社内研修

 9月後半第4週の月曜に自動車学校に入校して、

翌月曜に卒業

水曜に免許試験場で学科試験をクリアして、

2種免許は10日間で取れたことになる

そして、さらに翌週の月曜日

自動車学校入校から2週間後に、

社内での研修が始まった

10月になるとさすがに暑さも和らぎ、

研修初日は好天やった

課長から研修の予定表が渡された

「社内研修は10日間、月~金の2週間になります」

「はい…長いですね」

「10日間の研修は法令で定められています。そのうち1日は適性検査、2日はタクシーセンターの登録研修に行ってもらいます」

「ここでは7日間ということですか」

「そうなります。大体午前中に路上に出てもらって道を覚えてもらいます。午前中の方が駅や病院もよく動くのでタクシーの流れも見えるはずです。

午後が座学になります。昼飯の後で眠くなるかもしれませんが、覚えることはそんなに多くないので、気楽に構えてください」

「わかりました…」

「今日は初日なので、まず簡単に外に出てみましょうか」

9時に始まって、9時半くらいになっていたやろうか

文字通り社長出勤の社長が事務所の古いドアを開けて入ってきた

「今日から研修か。天気も良いしわしが(路上研修)行こか」


2月2日(月) 72,550 44回

いよいよ2月に入って、

このところ午前中は動きが悪いが、

午後から尻上がりで良くなって、

深夜はまた悪かった

まあ良いスタートやろ






2026年1月31日土曜日

選挙とタクシー

 選挙期間に入ると、

タクシーは動かない

という都市伝説があった

しかし、

それは都市伝説ではない

ということが、経験を重ねるごとに実感として分かってきた

選挙期間に入ると、タクシー利用は間違いなく減る

何故か、

ここからは推測だが、

勘ぐりを恐れるというのはあるやろう

誰かと飲みに行ったり、

一緒に行動していると、

あー、あの人はあの党の支持者か

みたいな

あとタクシーでも露骨に選挙運動してくる団体(どことは言わないが)もあるし、

そんなんがうざいから外に出たくない

というのもあるのかもしれない

ビジネスで動く人たちも、

選挙結果によって、取引先との関係が微妙に変わったりするから、

結果が出るまで待ちたいというのもあるやろう

今日乗車したあるお客さんに聞かれた

「タクシー(業界)はどの党を応援してるんですか?」

良い質問やなぁ…

「いやぁ…どうなんですかね。タクシー協会の会長(川鍋一朗さん)の奥さんはあの中曽根元首相のお孫さんですから、自民党なんですかね」

というのは、事務方の話

実際川鍋さんのおかげかどうか分からないが、

タクシーの事務方の政治力はすごい

世界的に急速に普及したウーバーはまともに日本でビジネスが出来ないし、

あれだけ騒いでたライドシェアは、今回の選挙では全く忘れられている

ここ数年全国的にタクシー料金はどんどん上がる

要するに日本タクシーは大勝続きなわけである

しかし、タクシードライバーはドライバーとしてまとまれば、結構な影響力を持てるとも思える

日本中にタクドラは20万人以上いる言われてるんやから(創価学会は1000万人らしいけどな)


1月30日(金) 59,450 52回

選挙のせいか分からんけど、

苦しい闘いが続くなぁ

52回で6万届かんとか

単価1000円ちょっとやんか






2026年1月29日木曜日

タクシーストーリー⑳ 2種免許取得

 月曜に自動車学校を卒業して、

翌日には会社へ報告へ行った

「学科試験はいつ行きますか?」

自動車学校を卒業して免許を取れるわけではなく、

卒業後に免許試験場で学科試験をクリアして、初めて2種免許がもらえる仕組みである

「いつって…自分で試験予約するんですか?」

すると、奥に座っていた社長が割って入る

「あんたが合格したって今聞いたのに、こっちで予約出来るわけないやろ」

「あぁ…」

「昨日連絡くれてたら、なんとかしたけどな」

「申し訳ありません」

社長が事務の女性に言う

「すぐ電話してみ。まだ空いてるか?」

「はい、明日で良いですか?」

「明日…ですか?」

俺が戸惑っていると、

また社長が割って入る

「そんなん時間空けてどうすんねん。すぐに(勉強したこと)忘れてしまうで。明日空いてるんか?」

「まあ、はい」

「じゃあ、明日で聞いてみて」

また女性に言う

「わかりました」

どうやら翌日の試験予約が取れたようである

「今はオフ(シーズン)やから取れたけど、これ夏休みや春休みやったら1週間くらい待たされるで。入社も1週間遅れる言うことや」

「そうなんですか」

試験の手配などは全部会社でやってくれるものだと思っていた

無職の身で、特に用事があったわけでもなく、

翌日明石の試験場へ行って、

無事2種免許を取得出来た

試験が終わって、新たな免許が配られると、

1種と同じ大きさの免許証のはずなのだが、

ずしりと重く感じた

たかが2種免許、1種と何が違うの

なんて思ってたけど、

何かその違いが何かというのは、まだ分かってはいなかったものの

全く違う免許だということは、感覚的に強く感じた

新たに変わった写真の、自分の顔を見つめて、

「俺、なかなかイケてるやん」

と独り言をつぶやいていた


1月28日(水) 49,150 43回

いやぁ…今日はひどかった(選挙始まるとなぜか悪くなるよな)

5万切りはいつ以来やろ

まあ年末からここまでなんとか粘ってきたから、

こんなこともあるやろ

また次がんばろ




2026年1月27日火曜日

踏んだり蹴ったりの男

今日は苦しい流れやったが、

0時過ぎに吹田の仕事が当たって、

2号線で神戸に帰る途中、

甲子園あたりで、GOアプリが鳴った

甲子園口駅近くの飲み屋

車を付けると、女性が出てきて、

「すぐ乗るんで少し待ってください」

「わかりました(5分で消えます)」

ほどなくして、かなり酔った感じの、見た目50代くらいの男性が乗ってきた

女性も一緒に乗るのかと思ったら、

「ごめんな、わたしチャリやねん。運転手さん、じゃあお願いします」

「わかりました」

ドアを閉めようとすると、

「ウヮー!!」

酔った男性が変な声を出して遮る

「いいから、乗ってけ!」

しつこく男性に迫られて、仕方なく女性も乗車する

「帰るだけやで、家まで送ってや」

男は黙っている

女性はおばちゃんだが、よく見るとセクシーな感じである

男が熱を上げるのも分かる気がする

「運転手さん、2号線出て、甲子園筋南へ降りてください」

「わかりました」

すると、酔った男が、

「ほんまに帰るんか?」

「帰るで」

「なにもせーへんから」

「なにもって、なにすんねん。帰るだけやんか」

「頼むから帰らんといて」

「帰る言うてるやんか。運転手さん、そこ左」

「はい」

そんなやり取りをしながら、女性のマンション前に着いて、

結局女性は降りていった

「そんなら、運転手さん、頼んます!」

「わかりました。(車内の男へ)どちらへ?」

男は余程ショックやったらしく、うな垂れている(こういうの実際笑えるよな)

しかし、ここでキレてあたってくる輩もいるので、それよりましである

「甲子園筋…出てください」

蚊の鳴くような声で言われた

「はい?甲子園筋ですか?」

「ラーメンの…まこと屋の…ところ」

「まこと屋ですか…わたしこの辺のタクシーやないんで」

と言いながらグーグルマップで検索する

甲子園筋にまこと屋は…ない

「あの、まこと屋ってどちらの?」

「とにかく行ってください。そこ左へ」

「はい…」

甲子園球場の方まで走る

「まだ行きますか?」

「…そこ右」

「(43を)右ですね」

43に入る

「ここからどう行きますか?」

「鳴尾を右」

「鳴尾?ですか。反対ですよ」

黙っている

「お客さん、住所教えてもらえますか?」

「甲子園一番町✖✖ー…」

ナビに入れてみる

なんやねん、さっき女性が降りたとこのすぐ裏やんか

そのまま行ってたら1000円くらいやったのに、

まわりまわって、やっと到着

「5,100円です」

甲子園筋に出ろと言われたんやから、俺は悪くない

現金決済、あざす!

男性を降ろして、鳴尾筋に出ると、

まこと屋(武庫川店)あったわ


1月26日(月) 66,860 36回





2026年1月24日土曜日

タクシーストーリー⑲ 卒検(学科)

学科試験は95問の〇✖方式で、

形式は1種とほぼ同じである

文章題90問と、イラスト問題5問(配点2点)

100点満点

1種と違うのは合格ラインで、

2種は90点以上取らないといけない

実技は認定の自動車学校を卒業すればクリア出来るが、

学科試験は卒業後に免許試験場で受けなければならない

自動車学校の卒検はいわば模試であり、

本番よりやや難しめに作られている

問題もバスなどが絡んでややこしいものも多く

例えば、

乗合バスやタクシーの運転者は、交通事故などのため運行を中断したときは、代車により運行を継続するか、旅客を出発地まで送り返さなければならない。

この問題、

まず交通事故「など」って何?

とか、

交通事故したのに代車で運行出来るわけないやん

出発地まで送り返す?

そんな余裕あったら、目的地に送ったら良いやん

などという現実的な疑問

そんなことをいろいろ考えて、

常識的に判断すれば、

答えは✖やろ

と思うのだが、

実際の答えは〇なのである

または、

客待ちのタクシーは継続的に車を停止しても、運転者が運転席にいれば駐車にならない。

これ✖で、

客待ちは駐車になるということだが、

現役のドライバー、特にベテランドライバーにこの問題を問えば、

90%は〇と答えるやろう(笑)

街中駐車のタクシーだらけやんみたいな

※実際は駐車禁止エリアなどで、「客待ちタクシーを除く(タクシーは駐車可)」というところもある

要するに、過去問や模試などで、

ある程度の問題傾向を覚えてしまわないと90点以上は難しい

そんなことを1週間やってくるわけである

学科の卒検は、最終日の10時に始まり、

50分、

〇✖なので、あっという間に採点が終わった

満点やった

梶川は99点やったらしい

杉本さんと、吉川さんは1回目で基準点を取れなかったらしく、

11時から2回目の試験を受けていた

部屋に戻って、荷物をまとめていると梶川が入ってきた

「さすがやな。満点なんて年に何人もおらへん言うとったで」

「もう20年以上前ですが、1種の学科も満点でした」

「はぁー!ほんまかいな」

「やるとなったら、とことんやらないと気が済まないんで」

「ええこっちゃ」

梶川は子どもをほめるような笑顔を浮かべて、ドスンとベッドに仰向けに横たわった

「タクシーか…なんかおっさんらの仕事やと思って馬鹿にしとったけど、自分が乗ることになるとはなぁ」

これは今日本中でタクシーのハンドルを握ってる多くのドライバーが、タクシーに乗り始める頃に感じたことであろう

追試を受けた2名も2回目で合格したらしい

2回目で合格出来ないと、午後から学科の追講義を受けて翌日再受験になる

無事6人全員月曜に(入校から8日間で)帰れることになった

昼過ぎから、簡単な退校式があって、

各人帰路についた

同じ神戸の真鍋さんは車で来ているため、一緒に乗っていかないかと軽く社交辞令で言われたが、

そこまで親しい関係ではなかったし、

会社で帰りの高速バスのチケットも用意してくれてたので、丁重にお断りした

大阪組とはバスが違うため、先に来たバスに一人で乗り込んだ

「また情報送ってな」

梶川が手を振っていた

昨日の食堂交流会でみんなとラインの交換はしていた

バスに乗り込んで、コンビニで買ったバンとコーヒーを食べながら、

鳴門海峡を渡る橋から海をながめていた

濃いめのコーヒーが妙においしく感じた


1月23日(金) 78,740 45回

こんな売上は、以前は年に何回出来るかという感じやったが、

昨年11月の値上げ後は簡単に出来るようになった

1時過ぎ、西宮でGOアプリが鳴って、

飲食店から3名のサラリーマンが乗り込んで来た

「運転手さん、まず吹田行って、その後なんばの方行ってほしいねんけど」

「吹田から、なんば…ですか?」

「もう1台呼んだ方が早いかな」

「…そう思いますけど」

「ごめん、そんならそうしますわ。こいつ一人乗せて吹田までお願いします!」

「分かりました」

こんなやる気ない感じで8万近く出来るからな





2026年1月22日木曜日

タクシーストーリー⑱ 最後の夜

月曜に入校して、1週間

日曜の夕方

早めに実技の卒検を終えて、寮の食堂でテキストを広げていた

食堂と言っても、定食が出てくるわけではなく

ガスコンロや流し台、共同冷蔵庫などの一般的なキッチンがあり、

長机が3つと、パイプ椅子が雑然と並べられている

ちょっと古めの、32インチよりは少し大きいように感じるテレビでは、

大相撲秋場所の千秋楽が流れていた

横綱大の里と豊昇竜の白熱した優勝争いを、

見ている人はいない

少し離れた椅子で大阪組の岸谷さんがスマホで動画を観ていた

食堂にいたのは2名だけ

そこに梶川が金麦のビールケースを抱えて入ってきた

「いよいよ合宿も明日で終わりや。終わったらみんな家に帰るんやろから、前夜祭しよか」

後から、もう一人の大阪組の…名前が出てこないが、大阪なまりの強い年配の男が入ってきた

頭は禿げかかり、この1週間の合宿でも少し太ったと思えるような腹をしていた

もう明日からでも立派なタクシードライバーになれそうな、

ダサい匂いをプンプン出している

逃げ出そうかと思ったが、

その後ろから、もう2名、

地元徳島の吉川さんと、

同じ神戸から来てるのに、ほとんど話したこともない、真鍋さんやったかな

が入ってきた

今回一緒に合宿をしている6名が揃ったわけである

梶川が声をかけて集めたのか、

逃げるわけにもいかない空気になっていた

梶川と一緒に買い出しに行っていたらしい、(名前を)思い出したが杉本という男、

2人はテンション上がっていたようだが、

後の4名は、どうしたら良いか、

まわりをキョロキョロと様子を見ていた

「まあ、とりあえず乾杯しような」

梶川がひとりひとりの机の前にビールを置く

「このビール代は…?」

自分が聞くと、

「いやいや!気にせんでええわ。後で割り勘するから」

出してくれるわけではないのか

大体誰がこんな会に賛同した?

割り勘ということは、金払わなあかんのか…

と思いつつも、1週間とは言え、

同じ屋根の下、同じ方向を向いて生活してきたわけで、

お互い、実技卒検の感想やら、学科の過去問の話やらをして、

なんとなく盛り上がっていた

「明日の卒検が終わったら、またそれぞれ会社に戻って研修かー。つまらんなぁ」

梶川が言うと、

「研修?これだけやって、まだ会社に戻って研修があるんですか?」

吉川さんが聞く

「せやで。また研修10日間や。ここより長いで」

「はぁー…」

吉川さんの力の抜けたリアクションに全員が爆笑した

夜が更けていって、みんな部屋に戻っていった

ぎこちない関係やったが、

これからタクシードライバーになるという共通項を持った

同志たち

少し良い時間やった

空き缶やごみを段ボールにまとめて、食堂を出ていこうとしていた梶川の背中に向かって、思わず声が出た

「梶川さん、今日はありがとうございます」

嫌いだと思っていた相手に、自然とお礼を言っていた


1月21日(水) 65,090  43回



2026年1月20日火曜日

タクシーストーリー⑰ 卒検(実技)

 月曜入校で、その週の日曜日に実技の卒検があった

決められたコースをまわり、減点数が基準を超えなければ合格である

1種の試験でも通るS字やクランク、車庫入れ縦列など、

当然1種よりも厳しい基準で見られる

さらに2種のみの課題として、鋭角コースがある

これは基本切り返し1回でクリアしなくてはいけない

2回切り返せば減点、脱輪や、切り返しを3回したら失格と言われている

しかし実技については、教習を真面目に受けて入ればクリア出来るレベルであり、

正直ここで1度でも落とされるようなら(1度落とされても2度目3度目のチャンスはある)

ドライバーになる資格はない

1発勝負と思って、

減点ゼロのつもりで緊張感を持って臨んだ

実際合格すれば減点数は教えてくれないが、

教官が用紙にチェックする仕草をチラチラ見ていると、

減点されたようには思わなかった

縦列でやや入りが浅かった気もしたが、何もチェックは入れてなかったようである

実技の卒検は比較的何事もなく終わった

卒検が13時から、2名同乗で行って14時頃には終わった

せっかく徳島まで来て、遊びにも行ける時間だが、

翌日は学科の卒検

部屋に戻って昼寝して、

翌日の学科に備えて、勉強を始めた


1月19日(月) 65,910 40回

1月にしては暖かい1日

日中神戸で15度近くまで上がった

月曜日にしては健闘やろな

短い乗車が多いが、

昨年末の値上げのおかげで、地上戦でもなんとか売上作れる