TOKYOタクシーさっそく観てきました
普通に良かった
何が良かったかというと、
タクシーという職業にスポットを当てて映画を作ってくれたこと
これ(タクシーの映画を作ること)は俺もずっと夢見てること
主役はキムタクが良いと思っていたので、
先を越された!
という想いもあるが、
映画自体はヒューマンドラマであり、タクシーそのものをフォーカスしたものではない
俺なら、もっとタクシーという「仕事」にフォーカスした面白い映画を書ける自信がある
まあそれはさておき、
木村拓哉がタクシー運転手を演じる
というだけでタクシーのイメージは変わるやろ
そして内容やけど(ここからはネタバレ入ってきます)、
まずキムタク演じる個人タクシーの運転手が、朝方に帰宅するところから映画は始まる
季節は今と同じような秋ごろやろか
明るくなっていたから、7時頃ではないだろうか
時間など関係ないと思うやろ
それが大ありなんやなぁ…まあ後ほど
かなり疲れて帰ってきていた
そして部屋に入り、日報を取り出し、手書きで記入する
「本日の売上 30,270円
キロあたり収入 215円(200円代やったはずけど、正確な数字ではないかも)」
計算すると、走行距離は140キロ前後というところか
そして後で言及があったが、キムタクは夜日勤ドライバーとのことである
夜日勤なら18時から朝の6時くらいの勤務やろか
今時の東京(車に「北」って書いてあったな)のタクシーで、キムタクの年齢なら50代前半、十分に走れる、稼げる年齢である
3万円はないでしょう
東京武三地区の隔勤の平均売上が6万円台と言われているから、それを単純に半分にした数字を書いたのかもしれないが、
平均営収はまともに働いてない高齢ドラや鬱ドラの数字も含めた「平均」である
公開される平均売上に20%くらい上乗せしたものが、まともに走っているドライバーの平均と言って良いやろう
さらに夜は22時から2割増料金になるので、東京あたりでは稼ぎは大きい(Xの夜日勤ドラで10万上げてる人とかおるからな)
そしてそこから朝寝に入るのだが、これは現実のドライバーの生活に近いところであった
そして10時頃、仲間のドライバーから電話が入ってくる
「わいの持ってた予約、行ってくれへんか?ギックリ腰になって運転出来へんようになってしもたんや」
何故か関西弁…エンドロールのテロップに「明石家さんま」とあって、
どこで出てきたん?
と思ったが、あれがそうやったのかも
ちなみに自慢やけど、俺は
明石家さんまさんを乗せたことがある
しかもそのとき電話でキムタクと話していた
すごいやろ(映画と逆のパターンか)
話がやたら逸れるが…
頼まれた予約時間は13時
12時には出庫しないといけないやろう
7時に帰ってきて、12時に出庫
ドライバーの方なら分かるやろが、
違法です
勤務と勤務の間は最低9時間開けないといけません ※2024年3月までは8時間
そして、その時間に葛飾帝釈天に倍賞千恵子演ずる「高野すみれ」さんを迎えに行く、
乗車して
「どちらまで?」
「え!聞いてないの?」
「…すみません」
というやり取りがあったが、
ありえません
運転手同士の予約のやり取りは現実にあるが、そこで行き先を聞かないなんて、ありえません
そして、ここからは高野すみれさんの壮絶な生涯の話をタクシー車内で聞くことになるのだが、
ネタバレにもなるし、タクシーにあまり関係ないので触れません(この辺は原作フランス映画って感じやったな)
しかし、お客さんが運転手に自分の人生について語る
「今まで誰にもこんな話したことないねん」
なんてことは、意外とよくある
話の内容はともかく(あれはないな)、シチュエーションはあるあるやったかも
東京の名所、雷門やスカイツリー、東京駅、東京タワーなどを通過していって、
なんか東京観光してるみたいで良かった
しかし残念やったのが、
メーターを一度も映さない
タクシーと言えばメーターでしょう
東京葛飾から寄り道をしながら、神奈川の葉山まで行く設定
メーターがどんどん上がっていく映像があれば、観ている方は引きつけられるはず
そっちに気を取られてほしくなかったから、敢えてメーターを外したとも取れるが、
出発地の葛飾帝釈天から、葉山の海岸沿いまで
下道で約80キロ(客の希望で下道で行く設定やった)
各地寄り道していたから100キロ程度は走ってたやろ
東京のタクシーの料金が現在255メートル100円やから ※長距離のタクシー料金計算においては数百円の乗車料相当分を含んだ初乗り料金は無視します
1キロ392円
は停まらずの前提で、下道で信号で何度も停まるわけやから
大体1キロ450円
で計算できるやろ
100キロで4万5千円くらいかな
そんなメーター見たらワクワクするのに
そして最後、葉山の高齢者施設に着いて、
高齢のお客様を施設の中まで見送る
「あっ、支払いまだでしたね!」
客の方が気づいて伝えるが、
ありえません
タクシーで、いくら長距離と言っても降車前に料金をもらわないなんて、ありえません
そのためにやってんやから
そんな人生の打ち明け話聞いて、親しくなって、料金の話なんかしにくいって?
いやいやそんなことありません
お客さんと親しく話することなんてなんぼでもあるけど、
料金はしっかり頂きます
そこをドライに、しかも手早く済ませるのがプロの運転手です
ということで、長くなったが(ほんまに長いな)
もうひとつ、
賠償が「タクシーやめようと思ったことない?」
と質問したシーンがあった
現役タクドラとして最も印象に残ったのはこのやり取りかもしれない
「いやー…いろいろつらいことはあるけど、良いこともあるんですよ」
そこで答えたのが下の三つ
①個人タクシーなら自分で仕事のスケジュールを決められる
これは個タクでなくても、会社によるが法人タクシーでもスケジュールは結構自由です
②上司に指示されたりすることもない
その通り!これも個タクに限らず、事故さえ起こさなければ大抵上からは何も言われません
タクシーの良いところ 正解です!(なんやねん)
③嫌な客とは話さなくても良い
これはどういうことやろ…無視したら余計面倒なことになるし、✖やと思うな
しかし、「タクシーの良いところ」これを映画で話してくれたのは良かった
俺がタクシーの映画を書くなら、
とことん
・タクシーの良いところ
・仕事の自由さ、楽しさ、面白さ
・具体的な売上などを示して、稼げることもアピール
そして、この映画では他力による一攫千金を運転手がつかむわけだが、
俺は、
タクシードライバーが自分の力で金持ちになっていく
そんなタクシー映画を書きたい
自信あるので、オファー待ってます(笑)
以上、本物のタクシードライバーが見た映画「TOKYOタクシー」の講評でした

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