2014年10月13日月曜日

タクシーストーリー第18話~熱く行こうぜ!

タクシーに海苔始めて半年・・・(変換間違えてるから)

いろんなことがあった

普通の仕事してたら、絶対こんな経験出来ひん。

やっぱタクシー乗って良かった

そんな風に感じ始めていた頃

事務所の山下さんと久々に言葉を交わす機会があった。

「どうや。うまくやってるか」

納金のとき、向こうに座ってた山下さんが俺に声をかけてくれた。

いつもは知らん顔してPCに向かっていたのに・・・

「はい・・・なんとなく・・・」

「『なんとなく』なんや?」

「なんとなく、タクシーのことが分かってきました」

山下さんは、PCから目を離して笑い始めた。

「ハハハ、面白いな」

席を立って、納金カウンターに歩み寄ってきた。

「何が・・・面白いんですか?」

何を言われるか、大体分かっていた。

「半年でタクシーが『分かった』か?面白いな」

ものすごい威圧感だった。

「だから、『なんとなく』って・・・(言ったやないですか)」

山下さんは、カウンターに両手をついた。

俺の目をぐっとえぐってきた。

「お前、まだタクシーのこと甘く見てるやろ」

ぐっと重い言葉やった。

そしてもう一度、その「重い一言」をぶつけてきた。

「バカにしてるやろ!」

何も言えなかった。

そんな気は全くなかったつもりだが、

これほど熱くぶつけられたら、何も言えなかった。

「タクシーってのはな、分からん連中には『バカにされる』職業や

今はな

でもな、そんな奴ら見返したるっていう気持ちがなかったら

今の日本ではこの仕事つとまらへんねん

まっすぐにな、

目の前の利用者

そして自分の職業見つめて、

よそからな、何を言われようと、

自分のやってる仕事

心から愛する気持ちがなかったら、

この仕事続かへん

いや、どんな仕事でも同じや・・・

でもこの仕事で違うのは「覚悟の大きさ」かもしれん

お前に、そういう覚悟あんのか

それが聞きたいねん。

お前はまだ若い。

そういう『若い奴ら』が熱い気持ちで、

プライド持って、この仕事しなんだら、

タクシー変わらへんで。

まだお前どっかでタクシーのことバカにしてへんか?

それが聞きたいねん」

ものすごい威圧感やった。

ものすごい熱さやった。

「覚悟」という言葉

その重さを考えていた。

自然と、口から出た言葉があった(プロジェクトXか)。

「俺・・・タクシー好きです」

山下さんは、俺の目から目を離さなかった。

「『好き』だけか?」

それ以上の言葉を発するには時間がかかった。

俺も山下さんの目を見据えた。

「愛してます」

 山下さんは右手を大きく上に挙げた。

「『いいね(LIKE)』やない(フェイスブックか)、『ラブ(LOVE)』やな?」

「はい、・・・LOVEです」

俺は、その右手に自分の右手を強く重ねた。

「世の中変えよう」

「はい!」

「熱く行こうぜ!」

その右手の熱さに俺は人生を捧げようと思った(この2人酒入ってるな・・・)


3 件のコメント:

  1. 確かに世間からは
    『おい、運ちゃん。』
    と呼ばれる『バカにされる』職業。
    自分自身、プライドを持っているかと問われると、疑問です。

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    1. Goma Chanさん

      「運ちゃん」とい呼び方は差別用語とも言われますよね。
      まあ良い大人に「ちゃん」はありませんよね。

      そういうことを問題にしない世間もどうかと思いますよね。

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  2. マスコミにも「タクシー運転手」じゃなくて、第二種運転免許「乗務員」で統一させるべきだだ。馬鹿にされるのには理由が有る。プリウス等のハイブリットタクシーで、服装や髪型等もタレントの様な感じで、「会話も、お洒落」であったなら馬鹿にされない。馬鹿にされる運転手というのは、卑屈な感じや、腰の低い人だ。運転手は二種免許取得者であり「乗務員」として乗客の命を預かっているわけだ。ガラパゴスの殻を破るのは本当に大変な事だと思う。全くのジャパンローカルの問題だ。本来はタクシー会社が主導して変わっていくのが本当なんだろうけど、私が知る限り業界は、私が考えるタクシーの在り方とは反対の方向に向かっている気すらする。白手袋もそうだし、迎車の時に、例え吹雪の中でも直立不動でお客さんが出て来るのを車外で待ってたり、手を挙げて停めてくれたお客さんを乗せるのにドライバーが運転席から飛び出て行って外からドア開けたり、私には、どアホにしか見えないのね、そういうの。もうやめてよ、って思う、心底・・・

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