2012年8月3日金曜日

7月31日(火)39点 8月1日(水)46点 2日(木)26点~ある学生からのメール

先日ある学生さんから質問メールを頂いた。

タクシーのことを非常に勉強されている、東京の某有名大学の優秀な学生さんである。

質問(の概要)は、

「なぜ日本のタクシーは高いんですか?

値下げをすれば、(もっと需要が増えて)長期的観点からして業界としても利用者としても良い結果になるのではないですか?」

というものだったが、彼は最近イギリスに滞在していて、タクシーが安くて感動されたようである。

注:ロンドンのタクシー料金は1キロ約3ポンド(約360円、又はそれ以上)、東京は1キロ約312円だから決して安くはない。初乗りが2.2ポンド(300円弱)ということで、錯覚してしまうのかもしれない。

この質問に対する俺の答えだが、

「タクシーの料金論はいろんな要素が絡んでいますし、何が正解とは言えません。

わたし自身も、もともとは料金値下派でした

XXさんの考えられるように、料金を下げればより多くの仕事ができて、結果的に我々も儲かると思っていました。

しかし最近は少し考えが変わってきました

ブログには今のところ書けませんが(書いてるやん)、料金を下げても需要はそれほど増えないと思います。

理由はいくつかありますが、

その一つとして、学生さんの金銭感覚からして、もしタクシー料金が値下げされたら…たとえば現実的に初乗り710円が680円になったらタクシーを利用しますか?

710円だろうが、若しくは思いきって500円にしたところで、バスや電車の方が安いわけです

逆に初乗りが千円になろうと、必要な人は必ず利用します。

料金が高くても良いとは言いませんが、我々も運転手ですし、

最も我々が儲かる料金設定が理想であり、

また資本主義という宗教を信じるのであれば、その「我々が儲かる」水準こそが市場としての利用者に最も受け入れられている料金設定であると言えるのだと思います。

要するに、(認可等あるので)出来る出来ないは置いておいて、

料金を下げたらよりタクシーの需要が高まって我々の収入を高めることが出来るのか?という話ですが

現時点では、答えはノーだと思います

逆に値上げしたら?

ここだけの話、市場はさらに高い価格を受け入れる、または受け入れざるを得ないと思います。

タクシーは事実上、供給制限がかけられています。

価格競争も事実上禁じられているのは勉強済みですよね。

予断ですが、供給制限と価格競争の禁止、この二つは、わたしは個人的に全ての業界に適用されるべきだと思っています。これは、今後資本主義という宗教、または危ういシステムを持続させていくための特効薬だと思っています。

タクシーというのは、見方によっては大きな経済の縮図として見る事もできます。

結論として、残念ながらタクシーの料金は下がりません

今後、現在の料金でも高齢者を中心にタクシーの需要はさらに増加していきます。

逆に供給、要するに運転手の数は増えません。ニューヨークを始め、世界の多くの主要都市では明確な数量制限をしていますが、日本ではそのようなことをしなくても今後タクシーは増えるどころか、不足していくでしょう。

イギリス(ロンドン)に行かれたんですね

オリンピック面白いですよね。
わたしもおっさんになったのか、メディアに乗せられてすごく普通に感動してしまいます。若い頃は「わざとらしい・・・」とか、「大げさな・・・」なんて斜に観てたもんですけど。

ロンドンと言えば、タクシードライバーのステイタス(地位)が世界的にも最も高いと言われる都市で、

そう簡単に運転席に座らせてもらえないそうです。

わたしは日本で、タクシードライバーがロンドンのドライバーのように尊敬される職業になることを夢見てます

我々が社会的に「いけてる」存在になるためには、できる限り値段を上げないことはもちろんですが、小口販売(初乗り距離の短縮)をしたり、仕事の少ない日中に、量的なものでない規制緩和、主に高齢者を対象にした様々なサービスを、アイデアを出し合って提供していくことかなぁ、と最近は感じています。

まあこの世界、驚くほど保守的ですから、

逆に言えば今後変わっていく可能性は無限にあります

XXさんも、だまされたと思って是非タクシーの運転席に座ってみてください(ほんまにだまされたりして)。
これほど経済のよく見える、楽しい仕事もないと思っています。

また遠慮なく何でも聞いてください。

反対意見も遠慮なくぶつけてくださいよ。議論は大好きですから。」

7月31日(火) 日照12.9 雨0 気温28.9(最高34.7) 
営収 39,960 20回 11.75時間 MAX 13,670

平均気温は当面(8日時点)この日がピーク

前半戦が11回14点と理想的

最後の最後に大きいの(立花)があたって素晴らしい7月の締め

7月の成績は速報値で19乗務604,920(31,838)

7月は昨年(平均36,485)が良すぎたこともあり、12.7%の大きな下げとなったが、

まあ満足出来る成績やった。

8月1日(水)A 日照9.5 雨0 気温28.3(最高32.6)
営収 46,630 16回 12.25時間 MAX 20,630

前半戦は早め(17時)に切って6回10点

苦しい展開やったが、

23時過ぎにでかいの(野田阪神)があたって、スーパースコア

8月2日(木) 日照11.3 雨0 気温28.4(最高34.9)
営収 26,390 13回 10.75時間 MAX 11,350

最高気温は当面(8日時点)この日がピーク

前半戦は18時過ぎまで引っ張って8回9点と苦戦

後半戦も苦戦したが、最後にあたってそれでも30点に届かず・・・

4 件のコメント:

  1. マクドナルドがいい例ですよね。単価を下げた結果売上げが落ちちゃったらしいですね。安くなったからってもう一個余分に食べたりしないでしょうし、1日3食を4食にしたりはしませんからね。
    潜在需要を掘り起こす? それも無理でしょうね。牛丼屋でもそうですけど、客の奪い合いってだけのことでしかないでしょう。タクシーの場合は今まで利用したことのなかった人が、安くなったら利用するか? 半額にしても無理でしょうねぇ。

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    1. imomushiさん

      >安くなったら利用するか? 半額にしても無理でしょう ねぇ。

      現場にいたら分かりますよね。なぜタクシーを使うのかという話です。

      マクドナルドはいい例えですね。
      ハンバーガーが65円だった時代に、わたしの知り合い(友だちではありませんよ)が、ハンバーガーと水だけ頼んで3時間店内で勉強したと自慢してました。店内は満員だったそうです。
      マックでも店長が売上歩合給だったら、相当なストレスでしょうね。そういった数字に現れない要素もあります。

      牛丼に関しては、すきややまつやなんかは原価を徹底的に削ることで安価な牛丼を継続的に提供しています。タクシーにおける「原価」とは何か?そのほとんどが我々の給料なんですよね。

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  2. よく海外と比較して日本は高いという意見はありますが、「その国の人たちの給与は日本円に計算し直して日本と同じなのか?」と疑問に思います。
    学生さんは単純に値段の比較をしていますが、その国の人たちの所得金額に対してタクシーの料金が高いか安いか比較すべきなのではないのでしょうか?

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    1. 確かに、その国の物価や労働者の所得というのは重要な比較要素です。ちょっと調べてみたんですが…

      http://memorva.jp/ranking/unfpa/who_2012_gni_gross_national_income.php

      日本とイギリスは所得の面では似通っています。一方でロンドンの物価は世界一高いという話も聞きます。さらに運転手の質の高さから同じような料金でも安く感じるのかもしれません。

      また上に「日本のタクシー料金は下がりません」と書きましたが、実際はいくつかの状況が変わってくれば下がることもあると思いますし、当然そういう状況が理想だと思っています。

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