2025年12月25日木曜日

タクシーストーリー⑬ 入校式

入校式と言っても、

自動車学校における、これからの2種教習の説明会だった

概ね学科20、実技20時限、ストレートで通れば計40時限とのことであった

※2025年9月の法改正で約30時限に短縮されている

週一、月曜入校なので、

6名が同期として教習を受けることになる

ひとりひとり、簡単に自己紹介があった

大阪組が3名、神戸2名、地元徳島から1名

自分の順番が来た

「神戸から来ました山元卓也です

42歳です

前職はスーパーで店長をしていました」

もう少し言いたいことはあったが、無難なコメントでやり過ごした

「ほー、店長さんか」

60歳くらいの、頭の禿げかかった担当教官が嫌味っぽく呟いた

入校式前にルームメイトになると挨拶をされた、梶川という男の自己紹介はよく覚えている

「大阪生野から来ました梶川祐樹です

52歳です

高校中退して、いろいろやってましたが、直近はヤマトの配送やってました

昨年の年収が600万ほどでした

年収1000万出来ると聞いて、タクシー乗ることにしました

よろしゅう頼んます」

同じ関西人の自分からしても、きつい大阪なまりやった

何より「タクシー」の発音が後半にアクセントのある独特の響きで、

何か違う職業の話をしている印象があった

年収1000万

確かに自分も、そんな話を聞いてタクシーに興味を持ち始めた

部屋に戻ると、梶川はもうチェックインしているようで、

自分と反対側のベッドの下に無造作に脱ぎ捨てられているシャツやジーパン、これでもかというほどに踵を踏みつぶしてあるスニーカーがひっくり返っていた

自分も荷物をまとめていると、

共同トイレに行っていた梶川が戻ってきた

「山元さんか、よろしゅう」

右手を差し出してきた

コロナ禍以来、握手などしていない

差し出された手に気づかないふりをして、

「梶川さんですね。よろしくお願いします」

梶川は差し出した手を、特に不快感も出さずに引っ込めた

「なんでタクシー乗ろうと思ったの?」

いきなりタメ口である

「前職では管理職で、いろいろストレスも多かったので、自分のペースで働けると思いまして」

「なんぼくらい年収あったの?」

イメージ通りというか、金の話しかしない

「400万程度です」

梶川は少しふっと息を吐いた

「そんなんでは生活できんわな。家族もおるんやろ」

「そこそこ生活は出来ましたが、働き方の問題です」

梶川は嫌らしい笑顔を浮かべた

偏見かもしれないが、我々神戸の人間が大阪人に抱くイメージそのものやった

「働き方なんて関係あらへん、仕事は金やで」


12月24日(水) 77,770 43回

イブの夜は悪い

長いことタクシー乗ってると、言わば常識のようなものである

家族と時間を過ごすために、家に帰る

飲み屋に行けば、女性スタッフにプレゼントでも持って行かなければ店に入りにくい

というところやろう

しかし今日は神ってたな

午後はあべのハルカス行って、

21時過ぎから芦屋でアプリ中心で動いて、

西宮へ、

眠くなって寝てたら起こされて神戸元町

税抜き売上もきれに7続き



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