先日から引用している日経ビジネスの、
という記事について、
話が長引いているが、
記事の内容は簡単に言えば、
消費税が増税されると、
法人タクシーは増税分を値上げせざるを得ず、
個人タクシーは小規模免税事業者になるため価格を据え置き、
利用者が安い個人タクシーに流れるので、
法人タクシーの経営は厳しくなり、
経営が追い込まれれば当然、流しは抑制する
俺が問題にしているのは記事の中にあるこの部分である。
要するに、
消費増税によって流しのタクシーが減る
というめちゃめちゃなロジックなわけだが、
この際建設的にこのロジックを否定していこう。
まず記事の中にある、
法人タクシーには現在、道で客を乗せる“流し”と無線による予約配車、ハイヤーと大きく3つの営業パターンがある
この部分、
まずここがおかしい
まず「ハイヤー」はタクシーとは法的にも明確に分けられている別事業である。
もちろんタクシー会社がハイヤー事業を手がけることもあるが、それはタクシー会社がバス事業を手がけることがあるのと全く同じ話である。
法人タクシー事業を3つに分けるのであれば、
①流し営業
②駅待ち営業(病院やホテル待ちも含む、いわゆる「辻待ち」は①に入る)
③無線による予約配車
となるだろう。
ちなみに①の流し営業はよくタクシーの代表的営業方法のように誤解されるが、全国でも一部の大都市に限定された「特殊な営業形態」である。
経営が厳しくなると減るのはどの営業形態か?
間違いなく③でしょう
電話による予約は利用者が最も「選択」できる領域であり、
記事のように、もし料金(またはサービス)の違いが大きくなれば、
そこに負けた会社(または個人)への電話は必然的に減る
電話が少なくなればどうするか?
とりあえず駅に並ぶしかない
駅に並んでいれば順番が来ればとりあえず乗せることは出来る
基本的に利用者は列の先頭の車に乗ることになる
がしかし、ここでも場合によっては後に並んでいる安い車を「選択」することは可能だし、
何より景気の悪いときには駅などに並んでいても延々と順番はまわってこない
会社の経営が苦しくなれば、
悠長に電話を待っているわけにも、駅に並んでいるわけにもいかなくなるのである
さあどうするか?
道へ出て流すしかない
商売で言えば、
店を構えてデーンと待っているのが、
タクシーで言えば無線予約や駅待ち営業であり、
潜在顧客の家まで行って売りにいく、
いわゆる「訪問販売」が流しである
訪問販売というか、
冬になるとたまに住宅街をまわりながら灯油を販売しているトラックがある
このいわゆる「流し」の灯油の価格がガソリンスタンドやホームセンターより高いのはある意味当然であるというのは、消費者の感覚で誰でも分かるのではないか。
要するに「訪問販売である流しのタクシー」は、
買うか買わないか、乗るか乗らないか
基本的に利用者に「どれに乗るか」の選択の余地はない
急いでいるから流しを拾うのである。
逆に売る側からすれば、
待っていても客が来ない
または
より高く、多く売るために外へ出て「流す」わけである
要するに、
料金格差が生じて、
経営が追い込まれれば、当然流しのタクシーは増える
わけである。
しかし俺はただ単に記事を否定したくて長々と書いているわけではない。
それではどうすればいいのか?
どうすれば利用者の需要を健全に満たす供給を提供することが出来るのか。
その辺を次回絞殺・・・考察してみよう(とんでもない変換ミスやな)。
ドライバーさんへ
返信削除消費税の免税点改正の後、未納者増加や廃業が増え
基準期間判定の見直しで起業者に活気がなくなり
といった問題が改善されず一気に増税されたら
中小企業は大変です。
3%から5%に引き上げされたときってどんなでした?
ありがとうございます!
削除免税点改正という話は今のところ出ていないと思いますが・・・出てるんですか?
しかし仮に免税点が(現行の1000万から)800万くらいに減額された場合、景気が良ければ年末の一番需要の多い時期に個人タクシーが消えるという自体は出てくるかもしれませんね。
税率が10%になれば7,80万の支払いになりますから。当然ながらそのラインは超えないように調整するでしょう。
>3%から5%に引き上げされたときってどんなでした?
97年ですか・・・さすがにまだ(運転手として)乗ってませんね。誰かご存知ですか?