2011年12月1日木曜日

11.30(水) 曇り 22点~「全然モテません」

よく晴れた先週25日(木曜日)に

久々に大阪へ行ったときの話だが、

夕方18時前やったかな

無線で、

「4丁目のNさん宅へ行ってください」

・・・久々に聞く名前やな

かつては毎日のように呼んでくれた常連さんだが、

もう4,5年音沙汰なかった

てっきり引っ越されたと思っていたのだが・・・

などなど思いながら、

配車先へ向かう

Nさん宅は公園脇の豪邸である

インターホンを押す前に、

やり過ぎとも思える豪華な和風の庭園を覗くと

玄関からNさんが出てくる

言わずと知れたお金持ちだが、

かつては行き先は最寄り駅と決まっていて100円ほどチップをくれたものだが、

「どうも!お久しぶりです」

「おう!あんたか、久しぶり」

「駅まで行かれます?」

「ちょっと待ってな、荷物があるから」

それほど大きな荷物ではないが、小さなダンボールから紙袋までいくつかトランクに積むのを手伝った。

これらの荷物を抱えて電車に乗るのは、無理ではないが多少しんどいだろう。

「どちらまで行かれます?」

「あっ、ごめん、言ってなかったね。大阪、大阪まで行ってくれる」

「・・・大阪ですか」

「あんたで良かったわ」

「・・・ぼくで良かった?」

このNさんはかつて毎日のように利用されていただけあって、

この地域のほとんどの運転手は知っている。

そして、ある噂が流れていた。

「えっと、高速で行ったらいいですね」

「もちろん」

「少し渋滞するかもしれませんけど」

「かまへんよ。それにしても久しぶりやねぇ。息子が死んでからやから、もう4年半になるかな」

「そう言えば息子さん亡くなられたんですよね」

「あれから大阪に住むようになったんやけどな、こっちの家も売ってしまったわけではないからたまに風通しに来んねん」

「そうなんですか、やっぱり向こうに越されてたんですね。どのあたりですか?」

「(高速)梅田で降りてな、堂山町」

「堂山・・・ですか」

やはり噂は本当やったんか

堂山というのは、東京で言えばいわゆる「2丁目」である。

「今日は荷物があったから、面倒くさいから車(タクシー)で行こ思って」

「(荷物の中に)なんか鍋とかありましたね」

「うん、お店でみんなで忘年会しよういう話になってな」

「お店・・・ですか」

「そう、ちょっと大きめのスナック」

堂山でスナック・・・どういう店かは想像がつく

「そういう人たち」が笑顔で鍋を囲む光景を想像してしまう。

「そのお店まで行かれます?」

「ええか?」

俺はその店の前に車をつけて、一体どんなリアクションを取ったらええんやろ・・・

「しかしあんなところ(大阪中心部)でお店持たれてるなんてすごいですねぇ」

「昔は儲かったんやけどな。それであんな屋敷まで建てられたんやけど、もう最近は(不景気で)あかんわ」

「結構人も雇われてるんでしょうね」

「うん、いいときは北と南、両方店持ってたから数十人はいたかなぁ」

本来なら「『女性』を雇われてるんでしょうね」と聞くところだが、敢えて『人』という表現にした。

わかっていながら、最後まで踏み切れない自分がいた

渋滞の中、会話を紡いでいきながら、寒いのに腋に汗をかいていた。

話は気を抜くと、「そういう方向」へ行ってしまい、

いつカミングアウトされるかわからないような空気

全く違う方向に話を持っていこうと、

「そう言えば、今週末(27日)大阪はダブル選挙ですよね」

「そ、そうねぇ・・・なんか盛り上がってるみたいやね」

「橋下さん、どうですかね?」

政治の話題をするときは、変なことを言って客の気分を壊してはいけないので一応相手の出方を伺う。

「そうねぇ、知事から市長なんてねぇ。逆ならあるかもしれないけど・・・でもすごい人やね」

「そうですよね、僕らとそんなに歳も変わらないのに」

「やっぱり魅力感じる?」

「・・・魅力・・・ですか?(めちゃめちゃ際どい質問やな)」

「彼、子ども多いから、きっとすごいで」

「・・・」

「平松さんはどうや?」

「・・・平松さんですか?」

「彼もダンディやろ。(橋下さんと)どっちがええ?」

「・・・あの・・・車内であまり政治の話してはいけないって言われてるんですよ(お前が振ったんやろ!)」

そして梅田の出口を降りて、

もうすぐ(目的地)や・・・という辺りで、

「あんたモテるやろ?」

うわー!

ずっとのらりくらり来たのにここで直球か

まさかここで正直に若い頃ゲイにモテたことをカミングアウトするわけにもいかない・・・(何気にお前それ自慢したいんやないんか?)

「いえ全然モテませんよ」

「・・・あぁ、そう。じゃあちょっと電話貸してくれる?」

えー!

俺の携帯貸すの?

ほんまに今どき携帯持ってへんの?

しかもこの話の流れなんなん?

でもこんな遠方まで大金払って乗ってくれてる客の要請断れへんし・・・

「・・・あ、・・・どうぞ」

「ありがと・・・えっとこれどうやってかけたらいいんかな。お店にかけたいんやけど」

電話の操作を教えつつ、

この電話からかけるということは、

俺の番号が店に登録される・・・

そんなことを考えていた。

「もしもし、あっ、XXちゃん?タクシーでこっちまで来たんやけどね。ちょっと出てきてくれる?荷物運んでほしいから。・・・うん、・・・あぁ、運転手さん全然(荷物)モテないって言わはるから」

11月30日(水) 景気30 くもり 高19 低6
営収 22,790(11,650-11,140)
15(9-6)回
11.50(7.00-4.50)時間
MAX 3,510

絶好調やった11月は、

最後にしぼんでしまった

3乗務連続の2万円台

うーん・・・停滞ですか?

嵐の前の静けさですか?

0 件のコメント:

コメントを投稿