2025年2月20日木曜日

血だらけや

 深夜0時過ぎ、某病院に配車を受けた

深夜の病院は少し期待する

電車がないので、家まで帰るとすれば結構距離が出ることが多い

配車先の病院に着くと、夜間入口で座ってる男性が見えた

あの人か

目の前に付けているので、報告に出るまでもないと待つ(寒いしな)

しかし男性、一向に顔を上げず、動こうともしない。

しびれをきらして、車を出て声をかけようかと思ったところで、中で警備員さんが声をかけてくれたようだ。

ようやく、顔を上げて、こちらに向かってきた。

乗車して、

「どちらに行かれますか」

「住吉」

「住吉のどちらですか」

「あー?、あー…」

あー、これややこしいやつか。

ある程度は覚悟していたものの、もう一度身構える。

ここからは経験値がものを言う。

とにかくタクシーの鉄則は「客に話をさせること」

こちら側にとって良い意味で、客のペースにさせることが大事である。

こっちのペースに持ってこようとするとトラブルになる。

この場合、「どちらなんですか!はっきりしてください」なんて少し声を荒げると、余計に時間がかかって自分が損をすることになる。

「とりあえず住吉方面向かいますね」

「…ここどこや?」

「××病院ですよ」

「どこやそれ?」

「救急車で来られたんですか?」

「そうや」

「どうされたんですか」

「どうもこうも、もう血だらけやで」

薄ら笑いを浮かべている。

「血だらけ?ですか」

「そうや、もう血だらけでな。警察は来るわ、大騒ぎや」

「誰の血ですか?」

「俺のや、当たり前やろ」

「ケガされたんですか」

「どっかにぶつけたんやろな。まあびっくりしたわ」

「なんで警察が来るんですか?」

「俺が電話で言うたんやろな」

「何をですか?」

「誰かに殴られたって」

「殴られたんですか?」

「・・・」

いわゆる「かまってほしかった」ってやつか(子どもか)

「大丈夫なんですか?」

「もう大丈夫や」

「それは良かったです」

「酔っぱらってな。血だらけになって、警察来て、『あー、俺そういう人なんや』って思ったわ」

自虐的に笑い始めた。

『俺、そういう人なんや』

なんか深いな。残る。

「住吉まで来ましたけど、どの辺ですか」

「神戸屋のあたりで」

「わかりました」

これがプロの対応っちゅうやつや(言うほどのもんか)


2月19日(水) 59,200 41回

相変わらず苦しい流れではあったが、

晩飯前に三木

最終も高速6千円口で形出来た。



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