今年は関西でも運賃改定が行われ、タクシーを取り巻く環境は格段に改善してきている。
巷で騒がれるドライバー不足について、国会でもライドシェアの議論が盛んに行われている。
ここまで来たら、ライドシェアは導入されるのだろう。
現場のドライバーの立場からライドシェアの動きは非常に興味深い。
是非この動きを前向きに捉えていきたい。
ライドシェア成功のためには現場ドライバーの声が必要なのは間違いない。
旅客輸送の未来のために、炎上覚悟で(炎上するほど見られてないやろ)ガンガン議論していこう。
神戸でタクシー現場に戻ってきました! 「スティグマ」我々は未だ職業差別を受けながらも、ここから逃れられない運命を背負っている…いつかタクドラが世間に認められる、社会的地位の高い職業になり、若者の憧れの職業になる日を夢見ています
今年は関西でも運賃改定が行われ、タクシーを取り巻く環境は格段に改善してきている。
巷で騒がれるドライバー不足について、国会でもライドシェアの議論が盛んに行われている。
ここまで来たら、ライドシェアは導入されるのだろう。
現場のドライバーの立場からライドシェアの動きは非常に興味深い。
是非この動きを前向きに捉えていきたい。
ライドシェア成功のためには現場ドライバーの声が必要なのは間違いない。
旅客輸送の未来のために、炎上覚悟で(炎上するほど見られてないやろ)ガンガン議論していこう。
先日FMココロを聴いてたら、面白い話があったんで、メモしておこう。
MCはシンガーソングライターの馬場俊英さん。
ゲストは誰だったんやろう…(覚えとけよ)
「××さん(ゲスト)は、タクシー乗った時(運転手と)話とかします?」
「え?、僕は、しますね。結構しますよ」
「どんな話ですか?」
「いや、どこか行くのに、どの道通りますかとか。自分も運転するんで、タクシーの運転手さんの意見聞いたり…基本人の話聞くの好きなんで」
「そうなんですか。僕はね、基本あまり(タクシー車内で)話しないんですよ」
「そうなの」
「でも、先日タクシー乗った時、いつものようにずっと黙って乗ってたら、10分くらいして運転手さんが、『お客さん、良かったらちょっと話しませんか』って言ってきて」
「(爆笑)なにそれ」
「それで、『いいですけど』みたいに答えたら、『実はわたし、インターネットで定期的に文章(ブログ?)投稿してるんですよ。最近あまりネタがなくて…』『どんな話が良いんですか』『どんなんでも良いんですよ。先日はお客さんから、一度脱いだ下着はもう一度着たくないっていう話を聞いて…汚くなくても、脱いだ後の下着を着るのは抵抗あるみたいな』」
「(爆笑)わけわかんないすね」
「そうなんですよ。『そんな面白い話ないなぁ』『面白くなくても良いんですよ。なんでも良いから何かあれば』『ないですよ』みたいな感じで…」
オチがどんなんだったか忘れたけど、馬場さんが「わたし実はシンガーソングライターなんですよ」なんて話をしたら恰好のネタになったはずなんやけど。
とにかく面白かったなぁ。
ラジオでタクシー車内の話なんかしたら絶対面白いと思うよね(個人情報には気をつけなあかんけどな)。
俺も「何か話しませんか」やってみよ(きしょいからやめろ)。
このところまた俄かにライドシェア議論が盛り上がっている
実際のところタクシー業界では、このドライバー不足の世の中になっても未だライドシェアに対して異常なまでの拒否反応を示している。
ただ業界にいれば分かるが、ドライバー不足はまだい入り口に過ぎない
ライドシェアを拒否するのではなく、逆にライドシェアを業界の利益にすることを考える段階に入っているのではないか。
ライドシェアのドライバーにも2種免許取得を義務付けたら良いし、タクシーが不足している自治体では、その費用を補助金として支給したら良い。
またライドシェアドライバーは、地域の業者での点呼などを義務付けたら良いし、過疎地など業者が少ない、点呼に出向くのは距離があるときは遠隔点呼や自治体で運行管理する方法もある。
当然その管理費用はシェアドライバーから取れば良い。
料金は当然タクシーの認可料金を下回らないものとする。
高級車を使うなど、高額にする分には自由にしたら良いだろう。
問題は個人タクシーやろね。
このような形でライドシェアを認めたら、
個人タクシーの意味ってあるの?
みたいな話になるし、個人タクシー協会は猛反対するやろな。
駅から乗車して、年期の入った安定したタクシーを求めるなら個タク
アプリ、キャッシュレスで、ネクタイもしめてない(茶髪もありやろ)フランクなドライバーを求めるならライドシェア
みたいな棲み分けになってくれば、面白いとは思うが(もう炎上するほど読まれてないしな)。
昨年より続く全国での運賃改定ラッシュにより、既に多くの運賃ブロックにおいて料金の値上げが行われている。
そして5月末においては、「タクシー業界のがん細胞」と言われていた(誰が言ったんや)、大阪地区の「55割」が遂になくなった。
スマホアプリによる配車や決済が普通になり、若手乗務員や女性乗務員も徐々に業界に流れ込んできている。
さあ、これからだろう
タクシーはまだこれから変わっていくはず。
現場でその変化をとくと見ていこう。
タクシー無線を行う場所、無線室、またはオペ室(手術室みたいやな)などと呼ばれる。
昨今はアプリ配車なども増えているが、オペ室は多くのタクシー業者で未だ健在である。
大抵真夜中まで、業者によっては24時間稼働している。
夜中になると、一人になることも多い。
オペ室には、いろんな電話がかかってくる。
「今すぐ来てほしいんですけど」
「はい、どちらにおられますか」
「それが…分からないんです…」
「えーと…近くに何か目印になるような場所はありますか?コンビニとか(コンビニ言われても、どこか特定出来んやろ)」
「えー…ちょっと久々にこちらに来たものですから」
「それなら、どの駅の近くとか分かりませんかね?」
「駅ですか…駅は苦手なんです」
「…?」
「あ、見えました」
「そうですか!何が見えましたか?」
「あなたが」
「え?」
振り返ると…(オペレーター不足なのに、余計な投稿すんな)
タクシードライバーを5歳刻みで年代別に分けていくと、どの年代が一番多いでしょう。
70~74歳である
ここが一番多い
ちょっと信じられないけど、団塊の世代(現在72~76歳)の影響もあるのだろう。
実際70代前半のドライバーは元気である。
タクシー乗ってたら、70代まで元気で仕事出来るのかなとも思わせる。
しかし、さすがに80代のドライバーは一気に減る。
10年後には、さすがに彼らのほとんどは車を降りるだろう
コロナ禍でドライバーが激減し、今でもドライバー不足が騒がれているのに、10年後、いや5年後にはさらに2割ほどはドライバーが減ることになるだろう。
国交省は今回全国で行われている運賃改定を、今後2,3年ごとに行うとしている。
ドライバーは減る、料金は上がる
収入はうなぎのぼりだろう
さあ、40代以下の、オフィスや工場でつまらない毎日を過ごしている若者たち
タクシーに乗ろうじゃないか
一日中、常に景色が変わり、毎日新しい出会いがあり、行ったこともないところへ行ける
空車では車内でひとり、人間関係に頭を悩ますこともない。
タクシーに乗ろう
運賃改定の日、タクシーに乗った。
初乗り700円、加算100円、メーターの上がりもきもちよ・・・利用者の方にもわかりやすいだろう(お前メーター上がるの「きもちよい」言おうとしたな)
これからはこの100円単位がスタンダードになっていくのだろうか。
もう10年ほど運行管理者のしての内勤勤務で、現場に出ることも少なかった。
たまたま今日は車両も少なく、ハンドルを握った。
昔と違って、今はライバル(車両)が少ない。
走れば仕事がある。
待つストレスが少ない。
時代は変わった…
無線が鳴る
「Yさん宅へ行ってください」
了解ボタン
懐かしいなぁ、常連のYさん
「おはようございます」
Yさん歳取ったな、しかし懐かしい。
こちらは覚えてても、お客さんは新しい(新人)運転手だと思うんやろな。
「あら、お久しぶり」
「え…覚えてるんですか!」
「声で分かったわ」
びっくりした。
10年である。
10年以上の時を経て、運転手を覚えてくれていた。
胸が熱くなった。
駅までの10分ほど、昔話をしながら
「(コロナも落ち着いたし)自分もそろそろ現場に戻ろうと思ってるんです」
そのとき次の無線が鳴った。
現実に戻された。
「駅でお客さんお待ちです」
知るか。
Yさんとの時間を邪魔されて不快だった。
「1800円です」
「今日から(料金)上がったんやね」
「そうなんです、すみません…」
駅に入っていく老いたYさんの背中を見つめながら、嬉しさ、ハンドルを握る楽しさをかみしめていた。
この業界に関わってきてよかった。
また運転手、プレイヤーとしてグランドに戻ろう。
いよいよ明日より、京都、滋賀地域で運賃改定が実施される。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20230404/2010017042.html
京都市、京都府南部では、初乗り1キロ500円、加算279メートル100円となる
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000293053.pdf
滋賀地区(大津市、滋賀北部)では、初乗り1キロ500円、加算236メートル100円となる
参考までに、
https://www.taxisite.com/far/info/13.aspx
昨年11月に全国に先立って運賃改定された東京(23区、武三地区)の料金は1096m500円、加算255メートル100円
見えてくるところは、
全国的に初乗り500円、加算100円に合わせようという流れ
近く運改が公示されるであろう、大阪地区、阪神地区もおそらくこの流れでいくのであろう(噂ではこの連休明けには公示が出るっぽいな)
まだ名古屋市(加算90円)など、流れとややずれている地域もあるが、
陸運局は今回の全国的な運改ラッシュの後、
2,3年毎に運賃改定をする
という方針も示しているらしい
この流れの中で10年くらいかけて、全国的に初乗り料金、加算料金を合わせ、営業エリアも統合を進めていくようである。
現在は全国的に初乗り料金始め、初乗り距離、加算料金、加算距離、大きな隔たりがあるが、これが徐々に統合されていくことは良い流れだと思う。
課題は地方のタクシーの少ない地域の対応だが、これも営業エリアが統合されていくことで、都市部のタクシーの多い地域から車両が流れていくことが期待出来る。
止まり木的な場所(営業所)、宿泊施設なども整備されていけば、都市部のタクシーも地方に走り、そこで気分転換をしながら?仕事が出来る。
魅力的やないか
どちらにしても、若い人たちにとって魅力ある仕事、魅力ある収入になっていくような流れが見えてきた
やっとタクシーの時代が来た
感慨深いものはある
俺もそろそろ現場に戻ろう(まだ戻ってなかったんか)
昨年から続いている運賃改定ラッシュの中で多分に漏れず大阪もこの夏にも再び運改が行われそうである。
この運改の流れは運転手にとっては有り難い限りで(利用者にとってはムカつくやろけどな)、ここからタクシーも大きく変わっていきそうである。
料金が上がり、運転手は減る
運転手ひとりあたり営収は飛躍的に上がる
大阪も20年続いた狂気の割引、55割が遂に終わりを告げようとしている
多くの業者は55(5000円以上5割引き)から、91(9000円以上1割引き)に申請する流れになっている
しかし…91いる?
9000円以上の遠方乗る利用者に、料金1割引くのって意味ある?
そんな遠方乗るのは自腹じゃない(会社払い)か、ちはいくらだろうがタクシー乗らなきゃ仕方ないシチュエーション(乗り越し、乗り遅れ)やろ。
1万円の遠方乗った客に百円引いてどうする?(1万から1割引くわけちゃうからな)
もう割引なしでそのままいきましょ、そのまま(ほんまあんた利用者の敵やな)
「もう最近はなんでも『値上げ、値上げ』やね。タクシーも値上げすんの?」
「いや…どうですかね(するやろ)。東京は昨年末(11月14日)に運賃改定してましたよね」
「関東は関東や!関西はそんな簡単に値上げせーへんやろ。しかも東京はもともと420円やったのが、500円になったんやろ。そもそもこっち(関西)より安いんや」
「いや、それは誤解ですよ。東京の初乗り距離は約1.1キロ(1.096キロ)で、こっち(大阪1.7キロ680円)より全然短いんですよ。惑わされたらいけません」
※大阪も「初乗り短縮」で、1.459キロ600円という料金もあるが、どちらにしても大阪の料金の方が安い(2023年2月現在)
「なんや、初乗りの距離が違うんか」
「はい。全国津々浦々、ほとんど初乗りの距離は統一されていません」
「わかりにくいな」
「仰る通りです。しかし、今年になって東京に続いて全国で運賃改定(値上げ)が行われる予定ですが、全国的に距離短(初乗り距離を縮めること)の流れになっています。数年後の次回の運賃改定では1キロで統一されるかもしれません」
「1キロ500円とか?」
「いや600円くらいですかね…」
「いやー、よう降ったね」
「よく降りましたね」
「道は大丈夫?」
「ところどころ滑りますけど、まだ大丈夫です」
「やっぱりプロやね、わたしら、(こんな雪道)よう運転せえへんわ」
「いやこれだけ積もると、怖がって出てこないドライバーもいますよ。安全を第一に考えるのであれば、こういう日に乗務を控えるドライバーの方が『プロ』なのかもしれません」
「そうか・・・でもあんたらがいてくれるから、わたしらも動けるし、病院にも行けるねん」
小太りで、薄いピンクのセーターを羽織っている年配のおばあさんは嬉しそうに言った。
年齢は80前後だろうか。
「こんな日は管理者の自分も現場に出られるし、雪が降ったらテンション上がりますよね。もちろん安全第一ですが」
「これから受験なんかで雪降ったら、受験生も大変やね。今年は孫が受験なんやけど」
「そうなんですか。お孫さん、そんな大きいんですね。そんな風に見えませんが(おきまりのお世辞)」
「そんなこと言われたらうれしいわ!こう見えても、孫7人おんねんで」
「そうなんですか!(そう見えますが)かわいいでしょうね」
「そら、孫はかわいいで。うちは娘ばっかりで、息子がおらへんかったからな」
「お孫さんは男の子が多いんですか」
「2人男の子やねん。一番上の子は阪大(大阪大学)行っとんねんで」
「(やっぱ男少ないな…)阪大ですか!」
「いや、大したことないんやけどな(笑)」
「いや、阪大はすごいですよ。自慢出来ますよ」
「そうか、こんなん、いろんなとこで言っとったらな、自慢や思われて敬遠されんねん。でも言いたいやろ(笑)。だから知らん人に言うねん」
「知らん人」で十分。
話を聞くだけで社会の役に立ってる?
こんな楽しい仕事はないな、と改めて感じた瞬間やった。
コロナも終わりつつあるし、これからまた最高の「知らん人」目指して、そろそろ現場に戻ろうかな。