運転手というのは、
とにかく不景気な話が大好きな生き物で、
暇があれば、駅の待機場に集まって、
「あかんなぁ・・・ひどいなぁ・・・昔はなぁ・・・」
なんていう話を延々と繰り返している。
何度もそんな話を聞いていると、
だんだん腹立ってきて、
意地でも俺は「悪い」なんて言うもんか、
という反骨心(?)のようなものが芽生えるのだが、
今はほんまに悪い(言うてるやん)
先日病院に待機していたら、他社のEランクドライバー(勝手にランク付けすんな)のTさんが近づいてきた。
うゎ、こういう時期に、こんな奴と話したくねぇ・・・
「どうや?」
「はい?天気ですか?」
軽くとぼけてみる。
「違うがな、景気はどないや聞いてんねん」
「あぁ・・・景気ですか」
「あかんやろ?」
「はい?何にも言うてへんやん」
やばい、形勢悪い。このおっさんに負けたことないんやけど(そういう勝ち負け競うな)
「言わんでもわかっとる。ひどいもんやで。わしらもう引退やからかまへんけど、あんたら(若いから)大変やなぁ」
Tさんは、60代も後半かな。今はバイトで半日だけ乗ってる年金ドライバーである。
「そんなにひどいなら、はよ辞めたらいいやん。毎日ふらふら何し来てんの?」
こういうきつい本音が出てしまうところで、正直押されてる。
こういう人に「早く辞めろ」と言えば、逆に「やめるもんか」というモチベーションを与えてしまう。
ほんまに辞めてほしい人には、「やめんといて」が正解である。
「そういうわけにもいかんで。わしらもらう年金なんてわずかなもんや。食って寝てチョン。こんなアホらしい仕事でもせにゃ、生きていけへんのや」
お前みたいな奴は、食って寝られたら十分やろ。ご飯にふりかけとせんべい布団、それ以上の贅沢は神が許さんのや。
「Tさんがやめたころに良くなりますよ、タクシーは」
我ながら苦しい・・・根拠のない強がりと言われても仕方ない。
「そうやな、わしみたいなゴミ運転手はおらん方が良くなるかもしれへんな」
・・・完敗や。
※年配でも、高い意識を持って仕事をされている、尊敬できるドライバーもたくさんおられます。
そんな「ひどい」5月第2週は、
7(火)8(水)9(木)10(金)
連休明けの4連勤
5月7日(火)A 日照9.5 気温16.5~9.2
営収 22,960(8,790) 13(5)回 12.25-0.25(6.50)時間
MAX 3,030-2,790
連休明けの当番乗務
気合入れて11時過ぎに入り、
11時半に乗車があったときには、
悪くない
と思ったが、
2度目の乗車は14時半・・・(3時間空いたわけね)
夜はがんばったものの、
何事もなく過ぎた1日
5月8日(水) 日照12.9 気温21.6~5.8
営収 18,990(8,090) 14(7)回 11.75-0.25(6.00)時間
MAX 3,270-2,630
この日は、夕方事務所に呼ばれたりして、
結局休憩挟んで、
16~21時まで5時間仕事なし
また何事もなく終わり
ついに20点切り
5月9日(木) 日照10.4 気温27.9~4.2
営収 18,100(11,070) 12(6)回 11.50±0(6.00)時間
MAX 3,190-1,750
ぐっと気温が上がった木曜日
昼間はそれほど悪くなかったものの、
17時半から、また4時間半の空白
特に夜はひどかった
24時過ぎの勝負
ここから1万くらい作るのを目標に臨むのだが、
24時過ぎ3千円で終了・・・
連日の20点切り
5月10日(金) 日照0.2 気温22.3~7.4 雨11.0
営収 33,890(21,010) 18(10)回 13.00±0(8.50)時間
MAX 11,910-2,710
ここまで悪い結果が続くと、
精神的に萎えてくるものだが、
この日は、前半戦悪くない流れで来て
18時前、かつての常連の土建屋さんの大将の乗車
「どうや?アベノミクスで儲かってるか?」
「・・・いえ、全然ですわ。ノダノミクス(昨年)の方がずっとましでしたね」
正直に答える。
「そうか!」
「Kさんはどないですか?そっち(土建業界)は良いんやないですか?」
「まあ、ぼちぼちな。でもあんときお前のせいでライブドア買い込んで、数億円損してるからな(笑)。これから余程がんばらな取り返せへんで」
注:ライブドアの話はしたが、株など決して薦めてません。
前半戦久々良い感じやったのに、
夜は全く伸びず
苦しい展開は続くなぁ
4乗務合計 93,940(1乗務平均 23,485)
2週連続でこけたら、ほんま痛いわ。
(もう今期は)取り返せへん
私も同じような売上ですね。
返信削除先週金曜日は雨も手伝って30回乗車出来ましたがそれからは
いくら流しても空しく時間が経過するばかりで
今月後半戦はもう諦めかけてましたが
今日はどうせダメだろうと思っていると以外に
売上が良かったりもします。
思い込みでこれまで流れの良くなかった待機ポイントが
日によってそこそこだったり
意識せずとも納金時日報には
思いもよらない距離を走ってたりします。
無心作戦がコツなのでしょうか?
モチベーションを下げない無い様に
色々なタクシーブログから営収を拝見して自分を奮起させています。
「走らないと始まらない」を常に自分に言い聞かせています。
只、この売上のまま来年の消費増税を考えると頭が痛いですね。
ちみちみさん
削除お疲れ様です!
>今日はどうせダメだろうと思っていると以外に売上が良かったりもします
ありますよね。
諦めた頃に上向いてくるのがわたしの経験則ですが、だから面白いというか、やめられないみたいなところありますよね。
教科書的に言えば、株価というのは典型的な先行指数なので、悔しいですが(?)遅れて間違いなく我々のところに(景気は)降りてくるはずです。
問題はいつ頃から(良くなるか)ということですが・・・わたしは7月頃と見ています。短くても年末までは続いていくでしょう。
>只、この売上のまま来年の消費増税を考えると頭が痛いですね
タクシーは消費増税の影響を受けない典型的業種だと思っています。消費税が数%上がろうが、ぶっちゃけ高かろうが安かろうが、必要な時には使わなくてはいけないし、そうでなければ全く必要ない。それがタクシーというサービスなんです。
お疲れ様です。
返信削除前回のアシキリの内容、よくわかりました。
ありがとうございます。
タクドラの人は、本当に売り上げの話がメインの人が
多いですね~~~
人と比べても自分の営収が増えるわけもないのに~~~(笑)
営収のことは、聞かないのに教えてくれますが、
稼いだ人にどこの場所で何時ごろ、どんな人を乗せたかを
たずねるとなんとなく、はっきりした答えで・・・
聞きたいことは、なかなか教えてくれません。
東京では、稼げるポイントをたくさん知っている人が
アベレージもいいみたいですネ。
ゴールデンウィークは、ほんとうに厳しいですね。
有休を使う人の気持ちが初めてわかりました。
Ozumaさん
削除お疲れ様です!
>人と比べても自分の営収が増えるわけもないのに~~~(笑)
そうなんですよね。
相対的利益を求める人がすごく多いんです。
例えば5台口の1台として、どこかのホテルに配車されたとしますよね。
そして、自分は1万円くらいの仕事が出来とします。
そんな仕事が出来たら素直に喜べば良いんですが、後で他の4台に聞くわけです。
「あの5台口の仕事、どこまで行った?」
そして、そのうちの1台が2万円くらいの仕事をしていたことを知ると、
「あー!大きな仕事逃したー!俺はなんてついてないんや」
どんなに悪くても、みんなが悪かったら安心するわけです。
だから「みんな悪くなってほしい」という強いオーラを発している・・・
まあ、そういう「寂しい思想」はタクシーに限らず、日本社会に蔓延している、日本人の非常に悪い特性なのかもしれませんが。
この投稿では、タクシーに乗り始めた若い方は、是非こういうドライバー(たくさんいるよな)には近づかないようにしてほしい、ということを言いたかったわけです。