2014年3月19日水曜日

おすすめ本~東京タクシードライバー

こちらのストーリーは一休みして、

いやぁ・・・読書の季節ですねぇ(なんやねん)。

タクシーの車内ほど読書に適した場所はないと思ってます

空車待機時は誰にも邪魔されず(暇な運転手が窓たたいて、しょうもない会話振ってくるやん)

読書に疲れた頃に客が乗ってきてくれたりして(お前一度も客乗せずに本一冊読んだこと何度かあるやろ)

まあ、とにかく年度末で学生さんなんかも時間あるやろし(学生はお前のブログなんかチェックしてないわ)

おすすめのタクシー本を紹介します
山田清機さんのノンフィクションタクシードラマで、

10話のショートストーリーになっている

「東京タクシードライバー」というタイトルは正直広すぎる感じもするが(SEO的な匂いがあるな)、

 副題が良い。

 「夢破れても人生だ。夢破れてから、人生だ」

 「一台のタクシーに1人の人生(ドラマ)が乗っている」

解説はあえてしないが、良いコピーやねぇ。

さらに10話のタイトルも中々掴みがある。

第1話 奈落

第2話 福島

第3話 マリアと閻魔

第4話 「なか」

第5話 ひとりカラオケ

第6話 泪橋

第7話 缶コーヒー

第8話 愚か者

第9話 偶然

第10話 平成世間師

長いあとがき

見ただけで読みたくなるようなタイトルが多いが、

とりあえず今回第1話の「奈落」をここで紹介しよう。

東京日本交通新木場営業所の荒木徹さんという運転手の物語りである

現在は営業所で班長まで勤める荒木さんは45歳と、ドライバーとしては比較的若い部類に入る。

会社員から32歳で脱サラして稼業の飲食業を継ぎ、結婚して子供も生まれるが、

奥さんとうまくいかずに離婚、調停で子供も連れていかれ、

そのことで両親ともギクシャクして、

36歳で家を飛び出す

その後地元の茨城から東京へ出て、

職を転々とする((カッコ内は収入)

新聞拡張員(歩合給、食事代1日500円)
 ↓
 ホームレス(0円)
 ↓
NPOの生活保護施設(賄い付き施設、「就職活動費」月4万円)
 ↓
テレクラチェーン(暴力団系で面接のみ)
 ↓
ソープランドの呼び込み(記載なし、リンチを受けて1週間で逃げる)
 ↓
人材派遣会社(愛知県の自動車部品製造業、手取り18万円)
 ↓
読売新聞配達員(手取り12万円)

職業に貴賎はないが、それにしても収入が厳しい。

そんな生活を1年半経て、

彼が辿りついたのが、タクシーやったわけで

37、8歳かな、タクシー会社ではピチピチの「若者」、大歓迎ですよ。

初年度からいきなり営収750万

歩率60(%)ちょっととして、月収約40万になりますね

1年半で180万あった借金を全部返して、

しかも150万の貯金を作ったそうです。

これだけ見ると、

荒木さんは何故もう少し早くこの仕事(タクシー)に気付かなかったのか

と思うよね。

荒木さんに限らず、

「なんでもっと早く・・・」

日本中のタクシードライバーが感じていることだと思います。

ここでは表面を紹介したけど、

ストーリーとして中々いけてますよ、

特にこの話では最期の1行がグッときました

良かったら是非読んでみてください。

また機会あれば、他のストーリーもここで紹介させてもらいます。

8 件のコメント:

  1. お疲れ様です。

    先日の他の方に対するBrack Cabの返信コメントに有りました【東京タクシードライバー】を早速購入して長い付け待ち時間に読み耽り、僅か2日で読破させて頂きました。

    みなさん、それぞれに紆余曲折があって【タクシードライバー】と言う素晴らしい職業に巡りあわれ、現在はとても充実感を持って働かれていますね!!!

    私などは、たいした苦労もなく個人タクシーを開業させて頂いておりますが、書中に登場された方々と同じフィールドで日々、仕事をしているんだと思うといろいろ考えさせられます。

    以前の私への返信コメントに有りましたが、やはり、タクシードライバーは新卒でやるのではなく他の職業を経験してから入る方が、タクシードライバーの楽しみ、気楽さ、ストレスの無さを実感出来ますね!

    素晴らしい一冊をご紹介頂き有難う御座いました 。by提灯行列

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    1. 提灯行列さん

      購入されましたか!

      なんと言いますか、我々現場の人間には書けない視点が多いですよね。
      難しいんですが、我々は「タクシーが・・・」とか、「タクシー業界が・・・」という視点で見てしまいますが、一人一人のドライバーの人生とかプライドみたいなところは死角になってたりして、そういうところを見せられると、「ヒヤリハット」があります。

      また機会あれば、各ストーリー紹介していきたいです。

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  2. 私は大型二種を取得してタクシー会社に就職した30代前半の男です。
    今でも乗客に「前職は?まだ若いんだし、転職した方が良いんじゃないですか?タクシー乗務員なんて、お年寄りの仕事でしょう?」なんて、しょっちゅう言われます。
    私は、タクシー乗務員は社会保険付きの自営業だと思っております。
    接客業でもあるわけですから、最低でもホテルマンぐらいの身だしなみは必要だと思っております。
    煙草臭いのなんて、もってのほかです。
    私が経営者なら~40代の乗務員を増やし、徹底的に接客のマナーを叩き込み、ロンドンタクシー並みの地理研修をやります。
    車輌は全車、JPN TAXI Concept にします。
    あえて、セダンは廃止します。
    年寄り臭さなんて、排除します。

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    1. コメントありがとうございます!

      >私は、タクシー乗務員は社会保険付きの自営業だと思っております

      良いこと言いますねぇ。
      さらに、「リスクのない自営業」とも言えます。

      若いドライバーでどんどん発信していきましょうよ。
      旗を振り続ければ、必ず人は集まってきます。
      それだけ楽しい職業だと思いますよ。

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  3. 紆余曲折がその方荒木さんは、その営収を上げれたのかも知れないと自分は思いますね。失敗から学ぶ事を今の若い世代は、ネットという安易な方法で、失敗をしない方法を検索する。

    タクシーは、健全な若者にももちろん解放すべき職業というのは同感ですが、哀しいかな・・人は肩書きや年齢やそういうものでしか計れない部分(まあ中身は別として)もあります。

    それを、埋めるには経験なのでしょうね。ただの年寄りという意味ではなく。意識をもって乗務するという意味と惰性で乗務する意味。その違いは大きいですね。

    僕も乗務中に、よく本を読みました。ポットキャストでも勉強しました。
    タクシーで資格試験の勉強をするというのもあり。これがタクシーの役得なのだと思います。

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    1. ゆーじさん

      >人は肩書きや年齢やそういうものでしか計れない部分(まあ中身は別として)もあります

      人生とは年齢とのあくなき闘いなのかもしれませんが、肩書きは表面的なものでしかないと思っています。

      既存の肩書きを追い求めるのでなく、自分のいる場所(タクシー)の肩書きを高めていくことだと思っています。

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  4. 初めまして♪大変興味深い内容の本です。是非、拝読したいかと思っています♪

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    1. ありがとうございます!

      是非また感想聞かせてください。

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