2014年2月18日火曜日

タクシーストーリー~俺がタクシーに乗ったわけ①

「大体”もやし”なんてもんは安過ぎるんや。

スーパーで一袋いくらで売ってるか知ってるか?

38円やで。

折り込み広告でセールなんてした日にゃ30円や。

30円やで、わかるか?

製造原価が”ただ”でも一袋の儲け30円や。

そんなんやっていけへんで。」


この運転手うぜぇ・・・(38円も30円も大して変わらへんし)


その日俺は久々にタクシーに乗っていた。

しかも乗りたくて乗っていたわけではない。

付き合っている女と晩飯を食っているときに、ちょっとしたことで口論になり、

店に彼女を置いたまま、会計もせずに飛び出し、

ケータイで連れを呼んで、飲み直したのは良いが、

飲み過ぎて終電に間に合わず、

仕方なくタクシーに乗って家まで帰ることになった

駅に並んでいるタクシーはなくて、

呆然としていたときに、ロータリーに入ってきたタクに乗り込んだ。

疲れ果てて、タクシーの後部座席に座ったときは、「助かったー(この人神様や)」と思ったが・・・

行き先を告げると、頭の禿げかかったドライバーは気持ちの悪い笑みを浮かべた。

「XXヶ丘ね・・・5千円以上出るけど大丈夫?」

なんやこのおっさん、若いと思ってバカにしとるんか。

「・・・はい」

「あぁ、そう。無理せんと着いてから、お母さんに頼んでも良いからね」

・・・感じ悪い。

気分悪いわ。

そんな俺の気持ちをよそに、

ドライバーは空気を読まずに延々と話し続けた

お前の話なんて聞いてへんから。

こっち、それどこやないから。

頼むから黙ってくれ。


15 件のコメント:

  1. わかるなぁ~僕は技術屋⇒営業⇒タクシー⇒無職w という経緯を経てきたので一番悪い接客は・・・・・「どうでもよい話を延々とする」と言うことです。

    タクシー乗務の際も、ハッキリいうと行き先を告げる口調で
    「この人疲れているだなぁ~」とか「あぁ、あ話を聞いて欲しい(運転士の話なんて聞きたくない)」とかわかります。

    わかりにく人でも「今日は寒い(暖かい)ですね(天気の話)」と聞けば
    もう先読みはできました。
    >ドライバーは空気を読まずに延々と話続けた
    最悪です。逆に聞き役として賃走料金を逆請求したいですね。わかります。

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    1. ゆーじさん

      タクシードライバーがバスや電車、さらには飛行機のパイロットと決定的に違う点は、利用者との距離です。

      この距離感をうまくコントロール出来るのがプロの運転手であり、多くのドライバーは未だその距離感に戸惑っていると思います。

      いい加減に乗っている年配の運転者ほど(年配でもプライドを持って真剣勝負しているドライバーもいますが)、そこを適当に捉えているかもしれませんが、若いドライバーにとっては、そう簡単には行きません。

      しかしこの「距離感」を自分のものにしたときには、こんなに楽しい職業もないと思います。それはバスや電車飛行機のドライバーには経験できない世界です。

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  2. はじめまして。


    地方のタクシー運転手として乗務歴8年くらい、30代前半の者です。
    情けない話なんですが正直生活保護より収入が少ないし同年代は普通なら2、30万貰ってることを考えると
    くらべるからいけないってのはわかるんですが周りは当然 世の中も周りとくらべることを良しとしますからね。

    安全かつ迅速にの両立の難しさとかは共感ですし自分自身全力投球してないのも確かですが
    そんな周りに見下されるうえ生活保護以下とか誇りの持ちようがないです

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    1. >匿名さん

      収入とお金は別の問題ですよ。もちろん、生活をする上でお金は重要ですが。年収1000万以上でも卑しい(心が貧乏)人は乗務していてもお客さんでいましたよ。

      逆に、大丈夫か?という生活ながら、諭される(説教ではなく、教え)事もありました。30代前半ならば、まだまだ挑戦すべき年齢ではないでしょうか?ご事情はあるでしょうが、地方を離れて戦う(タクシー乗務で)とか、新たな自分を探すとか。

      非常に悪いのですが、8年もいてその程度の見解(愚痴ですね)しか搾り出せないのであれば、哀しい事です。惰性で仕事をなさっている、いや生きているとしか思えません。
      僕は、一年ぐらいでしたが誇りをもっていましたよ。そういうのお客さんに伝わりますよ、必ず。

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    2. コメントありがとうございます。

      タクシーは確かに地域によって状況に大きな差があります。
      苦しい地域は未だ苦しんでいるかもしれませんが、地方のタクシーほど高齢化が進んでいて、今後急速に減少してきます。

      少なくなれば、相対的に若いドライバーにとっては良い状況になっていきます。もう少しの辛抱ですよ。

      その上で、誇りを持って仕事をしているのなら、収入がいくらであれ、それを生活保護の水準と比べるのは間違っていると思います。

      生活保護はプライドを犠牲にした人たちの世界です。
      プライドを持って仕事をしているのなら、それは比べる話ではありません。

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  3. 今、弊社の労働組合の委員長達とも話をしていますが、年金を貰える年齢に達した人は定年退職とする様に会社と交渉しています。

    そうじゃないと、考え方が古臭くて、接客態度が悪く、運転も危ない年寄りだらけのタクシーというイメージは払拭できず、若い人も入ってきませんし、入ってきても稼げなくて辞めていきます。

    ロックというのは、「解らない奴はダサいし、死ね。」という価値観です。

    タクシーというのは、やはり生き方がロックなんですよ。

    やはり、台数を減らす事は重要です。

    アホな政治家が日本のタクシーの規制を緩和したしたせいで、タクシー乗務員の社会的地位は非正規雇用者以下に落ちました。

    今までやってきた仕事の中でタクシー乗務員が最も恐くて、楽しくて、面白いです。

    乗務して約二ヶ月ですが、指名も頂けますし、チップも頂けますし、バレンタイン等でプレゼントも貰ってます。

    やはり、タクシー乗務員は他の仕事が出来ないからやるという様な易しい仕事ではありません。

    日本は、ロンドンの様な規制と免許制度が必要です。

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    1. コメントありがとうございます!

      >年金を貰える年齢に達した人は定年退職とする様に会社と交渉しています

      面白いですね(笑)。残念ながら今のところ、「年金をもらえる年齢に達したから(または近くなったから)」タクシーに乗る人が多いのが実情ですが。

      >タクシーというのは、やはり生き方がロックなんですよ。

      >今までやってきた仕事の中でタクシー乗務員が最も恐くて、楽しくて、面白いです。

      いいですねぇ。
      こういうコメント待ってますよ。
      若い力でタクシーを変えましょうよ。

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  4. 今、所属している会社は昭和初期に創立された、地域で一番古いタクシー会社です。
    雪国なのに車輌は全て雪に弱いクラウンコンフォートで、未だにアナログ無線を使い、車内防犯カメラは無く、ナビも付いていません。
    いちいち、配車係が無線で呼びかけて、乗務員からの返答を待つわけです。
    ですからお客さんがタクシー会社に電話してから30分ほど待たないと、タクシーは来ないわけです。
    乗務員も住宅地図(一万円ほどする)を自腹で購入し、地図を見ながら苦労して注文先に辿り着くわけです。
    めちゃくちゃ、不合理的です。
    こんな会社は若年者が来ませんし、来ても直ぐに転職していきます。

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    1. コメントありがとうございます。

      確かに非効率ですよね。
      地方ではタクシーのデジタル化や防犯対策等が遅れているところがまだ多いのが実情です。

      しかし無線のデジタル化は既に(28年5月まで)義務付けされていますし、乗務員さえスマホを持てばいろいろなことが出来る時代になりました。
      今後地方のタクシーも急速に変わっていくでしょうし、その流れについて来れない業者は撤退を余儀なくされるでしょう。

      今がダメということは、逆に言えば「のびしろ」があるわけです。
      変わってから入るより、変わっていくその中にいる方が間違いなくエキサイティングだと思いますよ。

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  5. タクシー乗務員よりバス運転士の方が待遇面が良いと会社は言いますが、実際はどうなのか?
    各社募集要項には30万以上可などと平気で書いておりますが、とんでもないはったりです。
    朝は4時起き~帰宅は22時なんて週2~3回こなしても支給総額25万行くか行かないかです
    おまけに休みは4週6休で基本的に人間らしい生活は出来ないと思って間違いありません。
    勿論、正月休みや盆休みなど一切ありません。
    30万稼ぐには、休みを週一日にして早番(4:00起きの15:00帰宅)と超勤(4:00起きの21:00~23:00帰宅)を一日おきに繰り返せば何とか行くでしょう。
    手取りだと25万程度になってしまいますが・・・

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    1. コメントありがとうございます。

      バスも厳しいらしいですね。
      しかし今後タクシーだけでなくバスドライバーも不足していくんですよね。
      一昨年の関越道の事故により運輸規則も厳しくなって、バスドライバーの酷使は改善されていくと思います。

      収入云々でなく、タクシーとバスとどっちが楽しいか。
      もちろん人それぞれですし、一長一短ありますが、面白い議論だと思いますよ。

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  6. タクシーって副業できますか?時間的にじゃなくて、会社的にバイトやもうひとつ自営してるとか、こそこそやらなきゃいけない雰囲気か、オープンにやれるか?見つかると首か?(普通の会社)?

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    1. コメントありがとうございます。

      もちろん会社によりますが、基本的には「最も副業がしやすい職業」の一つと言って良いと思います。
      ただいくら副業しやすい環境にあっても、就業規則では何らかの形で規制していることが多いでしょうから、「俺、副業してるねん」なんていうことを吹いてはまずいでしょうけどね。

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  7. お疲れ様です。

    Brack Cabさんのブログはもちろんですが、多くのコメントも、大変興味深く読ませて頂きました。

    東京では、大手法人タクシー会社が新卒を60人採用した様です。

    こうした若い方々が将来【個人タクシー】になって頂ければ、嬉しい限りです。

    これからも、様々な視点からのブログに多いに期待しております。by提灯行列

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    1. ありがとうございます。

      「若い人にタクシーに乗ってもらいたい」とは言いつつも、「新卒」はどうやろ・・・と正直思ってしまいます。
      矛盾しているかもしれませんが、一度社会に出ていろんなことを経験してからでないと、この職業の面白さは分からないかもしれません。

      若いドライバーの「出口戦略」として、個人タクシーの規制緩和は重要だと思います。

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