2016年3月29日火曜日

タクシーのリース制度

突然だが、日本のタクシーを考える上で

タクシーのリース制度

という知識をなしでは語れないところがある。

http://gothamist.com/2016/03/28/taxi_medallion_owner_will_pay_75000.php

上はニューヨークのメダリオンオーナーが過剰なリース代を請求していたことで訴えられ、多額の補償金(約1億円)を支払わなくてはならなくなったというニュースである。

と言ってもなんのことだか意味が分からないだろう。

まず「メダリオンオーナー」とは、

タクシーの営業権を持つ事業者である

日本で言うところの「タクシー事業者」とは少し異なる。

アメリカでは、というかいくつかの先進国の都市では、

タクシーの営業権が市場売買されている

特にニューヨークなどではその価値は非常に高く、投資対象としても魅力の高いものとなっている

そこにつけ込んだのがUber(ウーバー)ということになってくるが、それはとりあえず置いておこう。

メダリオンを複数持って、車両を保有し、

その営業権と車両をドライバーに貸して(リース)ビジネスをしているのがここでいう「メダリオンオーナー」となる

ちなみにメダリオンを一つだけ保有して、自分で車両を購入し、自分でタクシー営業をしているドライバーもいる。

日本でいうところの「個人タクシー」である

個人タクシーについては、東京もニューヨークもそれほど位置づけは変わらないが、

違いは端的にいうと、日本(東京)では個人タクシーの権利を取るために時間(経験)が必要であり、ニューヨークでは金が必要になる。

現在メダリオンの価格はウーバーの影響で急落しているが、

それでも一つ60~70万ドル(7~8千万円)で取引されている

昔は「いつかは自分でメダリオンを手に入れて・・・」みたいな時代もあったようだが、現在は一般人が手に出来る権利ではない。

何年か無事故無違反でがんばれば個人タクシーの権利を取ることが出来る(今はかなり難しいけどな)日本はまだ夢があると言える

そこでビジネスとしてメダリオンを所有し、それをリースする事業者(タクシーフリート)が多く存在するわけだが、

上のような悪徳業者が出ないように、

タクシーリースキャップルール

という法律でリース料の上限が定められている。

ちょっと内容は複雑なので、また細かく精査してみるとして・・・

週に1200~1300ドル(約14~15万)くらいが上限になってるのかな

1日2万円くらい、フリートはこれを朝晩で分けて貸したりするわけだが、

燃料費はもちろんドライバー持ちなので、うまくすれば一月(車両や駐車場のコストを引いても)30万くらいの利益にはなるんやろか。

日本でも一部の業者が「リース制」などという形態(実際は本物のリース制ではない)を取っていて、

その言葉が悪徳業者の代名詞として独り歩きしているが、

世界的にはタクシービジネスの標準的な形であり、

そこを知ることで、日本における「法人タクシー」とは何かを語っていかなくてはいけない。

今日はこの辺で・・・(次はいつになるんや)

2 件のコメント:

  1. コンビニのオーナーと同じ様な考え方になるのでしょうか。
    リスクを負いたくなければ、契約店長。
    稼ぎを優先ならば、文字通りのオーナー。
    いずれにしても、この業界も、新たな時代へ入ったのでしょうか。

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  2. お疲れ様です&ご無沙汰しております。

    興味深く読ませて頂きました。

    日本のタクシー業界もこれから様々な要因で変わってくるのではないか?と予想しています。

    今現在、日本は移民を受け入れていないのでニューヨークの様なシステムは馴染まないと感じます。

    辛うじて、近いのが日本では『代務』でしょうか?by提灯行列

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